由来・特徴

由来

直心影流薙刀術の始祖は、松本備前守紀政元で、今から500年前、関東の鹿島の太刀と関西の鞍馬流の長所を取って、室町時代末期、鹿島神伝神陰流という新剣法を創始したのに始まる。

その後、7代山田平左衛門藤原光徳は流派の歴史を熟考し、その名を直心影流と改め、現在まで継承されている。

代を重ね、明治になり、第15代園部秀雄(女)は多くの学校で薙刀を教授、道場修徳館に薙刀教員養成徐を創設し、本格的に女子薙刀教師の養成に尽力、薙刀術の興隆に貢献した。

戦後昭和30年、「全日本なぎなた連盟」が発足、当流は現代武道としてのなぎなたとも深い関係をもつ流派である。

特徴

古来薙刀は戦場の武器として重用され、多くの戦記物語にもその名を残している。

薙刀には大薙刀と小振りな刃をつけた小薙刀があり、現在の直心影流薙刀術に伝わるのは小薙刀の技法である。

特に直心影流薙刀術では水車(みずぐるま)・風車(かざぐるま)と呼ばれる技法に特徴があり、小脇の構えからまさに水車・風車のように薙刀を使いつつ、敵の攻撃を受け止め、また弾き、間合いに入って、面や脛を斬るのである。

小振りの刃を薙ぎ上げ薙ぎ払い、精徴で敏速な技法を身上とし、華麗にして勇壮な操法からは、かつて園部師範が多くの剣術名士を相手に攻め立てていったであろう姿が想像される。